君の、笑顔。

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 「あ、いけない」  ガバッと起き上がって時計を見たら、昼の12時をさしていた。僕は人生初めて寝坊してしまった。当たり前だが、セイはもう起きていた。やはり、慣れないことはするものではない。僕は素早く着替えて、階段を下りた。  リビングに行くと、セイが1人でいた。僕が起きてきたことに気づくと、困ったように笑った。  「おはよう、セイ」  「……おはよう…ヨウ」  僕は今が絶好のチャンスだと思って、冷蔵庫から昨日ラッピングしたチョコレートを取り出し、ハッピーバレンタインと小声で呟きながらセイに渡した。おずおずと受け取ったセイは、何か曇った表情をしていた。僕が予想していた、満面の笑みは見られなかった。僕は心の中で、どうして? と混乱した。
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