君の、笑顔。

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 「だって…それ、くちゃくちゃだもん……ヨウ、そんなのもらっても怒るよね?」  セイの体がカタカタと震えている。僕はその背中をきわめて優しくさすった。  「…怒らないよ。だって、嬉しいもん。どうして、渡してくれなかったの?」  「だって……ぼく、ヨウにてきとうなものはあげられないよ……あんなにヒドくなったは花たばなんて…」  「その花束、何があったの?」  僕が問うと、セイは一瞬言葉を詰まらせた。そしてまた大泣きし始めた。  「今日のあさね……ぼく、お花やさんにかいに、行ったの。その帰りに、近所の拓くんと浩二くんが……ぼくの、こと、きもち悪いって……花たばもっ、て女の子みたいだって……とり上げられて、ぐじゃぐじゃにされ、たの……」  近所の拓君と浩二君とは、いわゆるガキ大将だ。同じ幼稚園に通っていて、いつもセイはいじめられている。そんなやつに、僕たちの大事な時間を邪魔されては、たまらない。ふつふつと怒りがこみ上げてきた。
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