流れ星

5/6
前へ
/19ページ
次へ
 「いったー…セイ、石頭なんだから」  「ごめんごめん…」  聖は兄の額を手探りで探し当て、手を当ててみた。少しだけ熱かった。よほど思い切りぶつけてしまったのだろう。聖自身の頭はそれほど痛くなかったが、昔から石頭と言われ続けていた頭だから、ぶつけられた方は痛かったのかもしれない。  「ごめんね…」  聖は耀の頬を両手ではさみ、自分の方に引き寄せて額にキスを落とした。それで痛みが引くわけではないが、昔に耀から同じことをしてもらって、気持ち良かった覚えがあるからだ。  「セイ…」  聖にいじらしく触れられて我慢ができなくなったのか、耀は自ら弟の濡れた唇にキスをした。  喰うようなキスをした後、唇を離して耀はにっこりと笑った。  「これは、よく起きましたのご褒美だよ、セイ」  耀は弟の頭をガシガシと撫でてベッドから降りた。  2人はベランダに出て、並んで手すりに寄りかかった。しばらくの間は無言で光のシャワーを浴びていた。時々物体がヒュウーっと落下する音や、バアンッと物体がぶつかって砕け散るような音がして、とても迫力があり、聖はおおはしゃぎした。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加