流れ星

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 そんな聖の様子を隣で眺めていた耀は、クックと笑いを堪えるのに必死だった。  「いつになってもコドモだなあ」  聖は、いかにも自分はオトナですという耀の物言いに、カチンときた。  「……だってコドモだもん。それを言うならヨウだってコドモじゃん」  頬を膨らませて言う聖は思わず見るものの頬が緩んでしまうほど可愛かった。  耀は頬を緩めたままベランダの手すりにもたれかかった。  「僕はそこまで無邪気にはしゃげないもん」  「なんで」  「体の弱いセイを守らないといけないから、いつでも僕はお前より大人にならなきゃいけないの」  耀は手すりに少しだけ体重を預けて、空を見上げた。相変わらず、いく筋もの流れ星が紺のスクリーンに絵を描いている。  「そんなにぼくのこと心配しなくてもいいのに…」  聖は俯きながら小さく呟いた。耀は見上げていた顔を聖の方に向けた。  「だめ。僕はお前がいなくなったら死んじゃうよ」  慈愛に満ちた笑顔を投げ掛けると、聖もほっとしたように微笑んだ。そして、聖は兄の体に寄り添い、内緒話をするように耳元で囁いた。  ――大丈夫だよ…ぼくはずっとヨウのそばにいるから――…  耀は嬉しさに薄く微笑んだ。心が温かさで満ち足りていくのを覚えた。  流れ星が流れている。彼らはその下で、身を寄せ合っていた。心の中で、いつまでも愛する兄弟と一緒にいられますように、と――……
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