Opening『入学式』

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――Ⅱ 広い体育館(武道館には)真新しいパイプイスが綺麗に並べられ、生徒達は入口にはってあったクラスの出席番号の所へと足を運ぶ。 翔の席は三組の二番。 前の席は常に教師が見張る場所だからあんまり嬉しくない。 しかもベースを持ってきたせいか、教員達は不思議そうな顔をして俺のベースを見る。 あまり気持ちのよい事ではない。なぜなら今の大人達は個性よりも学力だからと考えるからだ。 今の不況の時代、就職に就けない若者達。 そんな永遠に続きそうな接戦に生きる中で何がものを言うか。 結局のところ、才能ではない、個性でもない、学力実力。 そんな時代にしてしまったのは今の大人達。 俺は大人が嫌いだ。 語った夢ですら『世の中そんなに甘くはない』って言って自分が持っている才能を潰す。 言い方が悪いが間違ってはいない。 ならば、その大人達はどうなのか、『一度でも語った大きな夢があったのか』。 嫌みに聞こえるがあながち間違ってはない。 ――そう思っているのは自分だけかもしれないが。
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