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――Ⅱ
午前11時。
無事、入学式を終えて二人は一組でたわいのない会話を続けていた。
本題はもちろんクラブの事。
資料は貰ったものの、自分達が探しているクラブはなかった。
だが、ここの高校の先生の中には顧問になっていない人達は多い。
ならば、
「軽音楽部作るのに顧問に音楽の先生に頼んでみる?」
この学校には吹奏楽部は今の所ない、というよりもクラブが少ない。
だから大半は顧問にはなっていない。
根拠はないが。行かないよりはマシだろう。
「まずは行動に出ないとな」
翔は曲がり切った背中を思い切り伸ばすと、座っていた机から飛ぶように下りてブレザーのボタンをして、スクールバッグを持つ。
佳も軽く背伸びをして立ち上がる。
そのまま二人は走り気味に廊下に出て、職員室へ向かう。
この学校の職員室は一階の第二校舎。
佳達の校舎は第一校舎の一階。
なんでも、ちょっかいをだす上級生がいるからなるべく接触しないように1番下にしたとか。
意味があるのかは知らないがどうなんだろうか?。
翔はそんな事に疑問をもつ。
「おーい、早くいこうぜ」
「あ、あぁ…」
ボーッと立ち止まる翔を見て佳が声をかけて現実に引っ張り出した。
翔は翔で適当に相槌を打って彼の後ろから怠そうについていくのだった。
1Music――『部活申請と彼女』
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