第二十一章

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「今回ばかりは敵に背を向けるのも文句は言えねえぜ…」 戦いを愛する一角であるが、敵に一太刀も浴びせられないという事ならば士の判断に異論はないようだ。 「して、奴に一太刀も浴びせられないのは一体全体どうした事であろうか…」 空蝉丸は一時的に変身を解除して、士に尋ねる。 「奴は錬金術によって生み出された化け物だ。その身体に、とある都市住人全員の命を代価として生み出された賢者の石を核として持つ人工的に作り出された命、即ちフラスコの中の小人(ホムンクルス)だ」 「俄には信じがたい話だ。錬金術が実際に生命を作り出し、不老不死をもたらすという賢者の石を実際に生み出す事が出来るとは…」 「俺達死神も人間に比べれば相当に長生きだが、さすがに不老不死っていうのは滅茶苦茶だぜ…!!」 「俺も最初はそうだったが、俺が相手にしていたネロ・カオスという敵、身体の中に賢者の石を隠し持っていた。その再生能力には恐るべきものがあった」
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