第二十一章

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「だが、奴の場合は賢者の石の力をあくまでも借りていただけだ。だが、さっきのあいつは違う。あいつ自身がある意味賢者の石といえるからだ…」 「倒れねえ相手なんざとは戦いにすらならねえじゃねえか」 一角は苛ついたように声を荒らげる。 「その賢者の石の凄まじい力が発動し、拙者達の攻撃をことごとく弾き飛ばしてしまったということか…」 「そういう事だ。つまり、奴を倒すには核である賢者の石の力を全て出し尽くさせなければいけないという事になる」 「という事はやることは一つじゃねえか!!」 嬉々として一角が立ち上がる。 「一角殿!?」 「もうこれ以上回復出来ねえっていうくらい奴に攻撃を加え続ける。賢者の石を防御に使わせてそのまま破壊する。そういう事だよな、士?」 「話が早くて助かるぜ。このプランは俺達の得意分野だからな」 二人は立ち上がるとニヤリと互いに笑みを浮かべる。その様子を、圧倒されたように空蝉丸が見つめている。
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