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「ゴードン殿、それ以上は轟天号が危うい。エビラから離れた方がいい！！」
「ああ、もう少しドデカい穴を開けてやったらな…」
轟天号はまさにスッポンのように、エビラが激しく身体を捩らせているのにも関わらず回転したドリルをエビラの甲殻にめり込ませたままでいる。
「ネモ船長の言う通り、そろそろ本当に轟天号が保たないかと…」
尾崎は冷静な口調を崩さないが、その顔からは冷や汗が滴り落ちている。
－これ以上は船員の命を無駄に失いかねないか…！！
「よし、離脱するぞ。ノーチラス号に後は託すぜ！！」
ゴードンの指示により、轟天号はそのブースターを急速に逆噴射する事でエビラからドリルを引き抜いた。呼応するようにドリルも逆回転しているのは、ドリルを使った事のある人ならば想像出来るだろう。
「抜いた後に奴は必ず轟天号を沈めにかかる。これは私の勘だが、外れたならばそれに越した事はなかろう」
ネモの意見に、クルー達が無言で頷きそれぞれの持ち場を確認している。この援護が轟天号の運命を左右すると、ネモ達は判断したのである。
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