第二十一章

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「悪いな、エビ公のお守りに時間がかかってな…」 「ちょうどいいタイミングだ。ご覧の通り大物が残ったという訳だ。魔法使いの爺は逃げたがな」 ザムシャーが、ゴードンに向かって来た刃を闇斬丸で粉々に斬りながら話しかける。 「しかし、本当に轟天号の攻撃を受けても吹き飛ばねえとはな…」 フラスコの中の小人はその顔を当初よりも険しくしているが、相変わらずダメージを受けているようには見えない。 「轟天号のゴードン船長か…」 轟天号とギラン、ドルに向かっては鉄の鎖が飛んで行っている。その鎖は、それぞれに絡みついてその動きを封じる事に成功していた。 「船を封じようが無駄だ…俺達だけの攻撃だけで破ってやるよ!!」 ゴードンも、鉄の刀を抜刀するとフラスコの中の小人に斬りかかった。 「坊主、すげえ刀持ってるじゃねえか!!」 「この刀、味方に配慮が出来ねえ。手足と首が吹き飛ばされないようにな!!」 二人は、身体を大きく捻りながらフラスコの中の小人に刃を叩きつける。龍紋鬼灯丸はその紋様を完全に赤く染めて目覚めを表していた。
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