第二十一章

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「大分敵の軍勢も数が減って来たな、兼平殿」 死者の長は、兼平を気遣うように横に並び立っている。さすがの兼平も体の至る所に生傷が出来ている。 「ネモ殿達も加わってくれた事だし、この辺で一気に攻勢を掛けるのが得策かと…」 「いいだろう。遅れをとるなよ?」 死者の軍勢が先陣を切って敵の山を次々と斬り伏せていく。 「ネモ殿は左翼を頼む!!」 兼平もそれに続いてライトセーバーと自らの刀の二刀を抜いて獅子奮迅の活躍を見せている。 「行くぞ、みんな!!」 ネモもブラスターを放ちながら指示通り左翼に向かって突撃をかけている。 ーみんな、頼んだぞ…!! 即席のベッドに倒れ込むようにしながらメランドは自軍と仲間達の勝利を願っている。 「ブラスターなど無力だ!!」 兼平はライトセーバーでブラスターの弾丸を放った本人、ドロイドに弾き飛ばす。ドロイドは顔面に跳弾を受けてシステムダウンした。 「同感だな。我等は死者、弾丸など日の光と大差ない!!」 兼平達はもはや止められる者がいなかった。バタバタと鉄屑、物言わぬ塊と化している。
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