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「紹介してやろう。感謝しろ」
「…ありがとう」
なんか腑に落ちなかったが、とりあえず礼を言っておく。
「え~っと、西村美咲です。よろしくお願いしますね」
「って、結局しぐれは紹介しないのかよ! …まぁ、よろしくな。え-っと、西村…さん?」
「美咲ちゃんでいいですよ」
この学校ではちゃん付けが流行ってるのだろうか…。
「いや、遠慮しとくよ…」
「僕美咲ちゃんって呼びたいんだけどいいかな?」
相川がなんか興奮して言う。
「相川。キモい」
「うっ……」
しぐれに素で言われて、ちょっと落ち込んだみたいだ。…確かにキモいけど。
「美咲。悠人さんはちゃん付けは嫌いらしいぞ」
しぐれが言う。
「そうなんですか?」
「あー、まぁな」
なんか気恥ずかしいから。
「まぁとりあえず西村さんにしとくよ」
無難なところにしておくことに。
「それなら西村でいいですよ~」
「そうか? じゃあ西村で」
まぁその方が気楽でいいかもな…。
「あと、悠人さんは名字で呼ばれるのは嫌いみたいだな」
「いや、別に嫌いじゃないけど…」
「じゃあ私は悠人君って呼びますね」
「ああ」
その時、校内にチャイムが鳴り響いた。
西村が急いで自分の席へと戻っていく。
(ちなみに西村の席は俺やしぐれの列の一番前だ。)
休み時間が終わり、先生が教室へと入ってくる。
そして、一時間目の授業が始まった。
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