第三種接近遭遇

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「紹介してやろう。感謝しろ」 「…ありがとう」  なんか腑に落ちなかったが、とりあえず礼を言っておく。 「え~っと、西村美咲です。よろしくお願いしますね」 「って、結局しぐれは紹介しないのかよ! …まぁ、よろしくな。え-っと、西村…さん?」 「美咲ちゃんでいいですよ」  この学校ではちゃん付けが流行ってるのだろうか…。 「いや、遠慮しとくよ…」 「僕美咲ちゃんって呼びたいんだけどいいかな?」  相川がなんか興奮して言う。 「相川。キモい」 「うっ……」  しぐれに素で言われて、ちょっと落ち込んだみたいだ。…確かにキモいけど。 「美咲。悠人さんはちゃん付けは嫌いらしいぞ」  しぐれが言う。 「そうなんですか?」 「あー、まぁな」  なんか気恥ずかしいから。 「まぁとりあえず西村さんにしとくよ」  無難なところにしておくことに。 「それなら西村でいいですよ~」 「そうか? じゃあ西村で」  まぁその方が気楽でいいかもな…。 「あと、悠人さんは名字で呼ばれるのは嫌いみたいだな」 「いや、別に嫌いじゃないけど…」 「じゃあ私は悠人君って呼びますね」 「ああ」  その時、校内にチャイムが鳴り響いた。  西村が急いで自分の席へと戻っていく。 (ちなみに西村の席は俺やしぐれの列の一番前だ。)  休み時間が終わり、先生が教室へと入ってくる。  そして、一時間目の授業が始まった。
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