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席に座ると、横にいた男子が話しかけてきた。
見た目これといった特徴のない、普通っぽい感じ。
(こいつ、なんかどっかで見たことあるような気が…)
「やぁ、久しぶりだね、悠人」
「…………ん?」
思わず聞き返してしまった……。
「なんだ、聞こえなかったのか? 感動の再会に水を差すなよ」
「いや、別に聞こえなかったわけじゃないんだが…」
……感動の再会?
ってことはこいつは俺の知り合いかなんかか……?
「元気してたか? 懐かしいなぁ」
「すまん。……誰だ?」
そいつはやれやれといった感じになって、
「なんだ、やっぱ覚えてなかったのかよ。何となくそんな気はしてたけど……」
じゃあ初めから名乗れよ…。
「中学ん時の相川だよ。相川洋平。覚えてない?」
相川……? そういえば、顔立ちは少し似ている…かもしれない。でも…
「俺の知ってる相川ってのは、金髪のはずなんだが」
相川は金髪で、目の前のこいつは黒髪だ。
「あれはもう染め直したよ。若気の至りってやつだね」
相川。中学の時かなり気が会って、いつも馬鹿ばっかりやってた仲だ。確かに田舎に引越すとか言ってたけど、まさかここだったとは……。
「なんだ、それで納得したよ。懐かしいなぁ」
「やっとわかってくれたみたいだね」
「ああ。特徴の少ないお前の唯一と言っていいくらいの特徴が金髪だったからなぁ。そこ変えられたらわかんねぇわ」
「特徴少なくて悪かったですね!」
そういえばこんな奴だったっけ。まぁ知り合いがいたのは嬉しい限りだ。
ちなみに今は朝礼の真っ最中なので、先生が何か言っているはずなのだが、全く耳に入ってこなかった。
…なんだかんだ言っても、俺も喜んでいたのかもしれないな。
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