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朝礼が終わり、クラスが急に騒がしくなる。…専ら話題は俺のことのようで、たまに名前を呼ばれたような錯覚に陥る。
自分のことを噂されるってのは、あまり気持ちのいいものじゃない、と思っていると、前の席に座っていた例の少女が話しかけてきた。
ちなみに相川は朝礼が終わるとすぐどこかへ行ってしまったので、隣の席は今は空いている。
「まさかこのクラスに来るとは思ってもみなかったぞ。……そういえば自己紹介がまだだったな。私は東條しぐれだ。よろしくな、中村さん」
「ああ、よろしく。そういえばさっきはありがとな。おかげで助かったよ」
「ああ、困っているようだったからな。まぁ困ったことがあったら私に聞いてみろ。仮にもこの学校の生徒だしな」
「ああ、ありがとう」
若干の男口調が特徴的だったが、悪い奴じゃないことだけはわかったのだった。
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