誘拐屋

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いつもの授業 いつもの生活 いつもの放課後 そんな毎日に水歌はものたりなさを感じていた 学校がつまらないわけではない、むしろ楽しい 17歳の考えというかなんというか、マンネリズムだった この日常を変えるものがあるかな、など授業中は考えていた 水歌は部活に入っていない 故に早めの電車に揺られていた ガタンガタン ガタンガタン 9月はまだ日が落ちるのが遅いので5時というのに空は明るかった すると近くにいた他校の生徒の話し声が聞こえてきた 「ねぇ、知ってる?【誘拐屋】の話」 「知ってる知ってる。噂のサイトでしょ。1ヶ月誘拐するってやつ」 くだらない 誘拐は犯罪だ ただの犯罪のサイトじゃないか そんなことを考えつつ 水歌は再び窓に目を向けた 空はまだ青かった
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