アイツの彼女

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普段なら気にしないそれも、今は馬鹿にされているようで癇に障った。 というか河童って、新にも確実に馬鹿にされている。 「俺はキュウリを齧ったりしない。ていうか元気のない理由違うし。お前らの(羨ましいほどの)いちゃつき具合のせいだし」 春香に手を出すのも何だか気がひけたので、新の頭を叩く一樹。 スパンと軽い、いい音がした。 新はそれによってずれた眼鏡をなおしながらにやにや笑った。 「でも俺達だけのせいじゃないよな?愛しの雪ちゃんのことで頭がいっぱいなくせに」 「え!?雪ちゃんって大井さんのことだよね?いやいや釣り合わないでしょ。天秤にかけるまでもないわ」 「言いすぎだぞ、このくそ女!お前こそ鏡見ろよ化け物!」 「なんですって!?」 その後睨みあいになった二人を新が宥めたが、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴るまでずっと不機嫌だった。
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