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いつも昼休みになると新と共に食事をする。
その場に今日は知らない女子がいた。
はい、あ―ん。
なんて、目の前で新にいちゃいちゃとじゃれついている。
間違いない、高校での新しい彼女(確か五人目)だ。
羨ましい事山の如し。
しかし、いちゃつくのは二人きりの時にしてほしい。
非常に居づらい空間に一樹は重い息を吐き出した。
「カズキンどうしたの?」
「菌みたいだからやめてくんない?その呼び名」
「えーー可愛いのに」
「お前は可愛くないけどな」
かなり遠慮が無く、なれなれしい女子に舌を出す。
すると彼女は頬を膨らませた。
そんな事をしても全く可愛くない。
「カズキン冷たい!心配してるのに。春香ショック!」
「気にするな春香。元気がないのは、河童が人魚に憧れるほど無謀な恋のせいだ。まったく、やつあたりを受けるこっちの身にもなってほしいものだよ」
「そうだね――」
「ね――」
自分の事を春香と呼んだ女子がキャハハと高い声で笑い出した。
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