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「………?」
彼女の右側から、大型トラックが、こっちに向かって走行していた。
自分の目は、10メートル離れていてもアリが何匹いるか数えられるくらいの視力を持っている。まぁ、それぐらいしか取り柄ないけど…。そのおかげで、丘の下からトラックが来るのがわかった。
というか、こんな山の上にある学校の道にトラックが通るなんて…。なんかおかしいよな。
俺はトラックが通れるように道を開ける。女の子も俺とは逆の方に道を開ける。
――だけど、俺は見た。
運転席にいる『運転手』を。
…なんだ、運転手の顔が見えない。俯いてるのか……?
なんだ?……なんか、あいつ…おかしい……。
トラックは、どんどんこっちに近づいてくる…。
―――そこでやっと気づいた。
「っ!!??」
俺は、わかった。
なぜ、あの運転手が俯いているのか……
――寝てる。寝てるんだよ、あの運転手。
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