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「させない!!」
声を上げると、足に力が入った。走るスピードが上がったような気がした。
「うぁらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!間に合え――――!!!」
俺は、彼女に向かって飛び込んだ。
もうトラックなんか見ていない。ただ、彼女を助けることにしか目がなかった。
俺の身体。
トラック。
どちらが速いか。
頼む、間に合え!!!
俺は彼女に手を伸ばす。
―――鈍い音が響いた。
10メートル先に落ちた。
彼女の学生鞄が…。
「ふはっ!!あ、危なかった!!」
俺の思いが天に通じたのか、彼女を抱きしめることに成功した俺はそのまま道の横に倒れ、トラックの突撃を避けた。
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