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――イッシュ地方。
蒼い空に白い雲が浮かんでいる。
穏やかな風に乗りながら、マメパトの群れが飛んでいる。
その群れの中の一匹が何かに気付き、下降した。他のものたちは興味がないのか、そのまま飛び去ってしまった。
そのマメパトが降りた場所は、16番道路にある〝迷いの森〟。さほど要り組んでもいないのに、迷うと言われる不思議な森である。
しかしマメパトは構わずに森の奥まで飛んだ。まるで森を熟知しているかのように。
地面には餌になりそうな虫ポケモンがいたが、それらには目もくれないで素通りした。
人気のない奥まで来ると一軒のログハウスが建っていた。
その家の開け放たれている窓辺へ、マメパトは降りた。
部屋の中にはイスに座って読書をしている一人の青年がいた。美しいクリーム色の長髪が整った顔に合っている。
青年は窓辺のマメパトに気付き、本に栞を挟んで机の上に置いた。
窓辺に近づきマメパトをなでる。
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