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「やぁ、また来たのか。ちょっと待ってて」
青年は近くの缶を引き寄せて、中から餌を取って窓辺に乗せた。
それをマメパトは食べ始めた。どうやらこのマメパトは、この青年の元によく餌をもらいに来るらしい。
青年は微笑みをつくりながらマメパトの姿を見ていた。
視線を空に移す。気持ちのいいくらい快晴だ。
「――よしっ!」
青年は机上のウエストポーチを腰に巻き、キャップを被ると外に出た。
家の前には何もなく広場があるだけだ。彼はそこに立ち、指笛を吹いた。
指笛の音が辺りに響き渡る。
しばらくすると轟音が聞こえ、頭上を何かがものすごい速さで飛んでいった。それは空中で一回転すると地に降りた。
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