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「フェンユ、アハト」
アインが二人の名を呼ぶとツヴァイの時同様返事することなく行動に移った。
「『アクアボール』」
フェンユとアハトが放ったのは水属性の初級魔法で『ウォータボール』と見た目は差は無いが水の圧縮率が『アクアボール』の方が高く、『アクアボール』は『ウォータボール』の強化版のような魔法だ。
しかし二人が放った『アクアボール』は沙月たちの方でなく何故かツヴァイの放った『エクスプロージョン』に真っ直ぐ飛んでいった。
「勝俊、朔夜下がって!」
最初は何をやってるんだと思いながら傍観していた沙月たちであったが、何をしようとしているのか気付いたエリスが前衛の勝俊と朔夜に下がるように言った。
「へ?」
「なんでだ?」
何故エリスが下がれと言ったのか理解できなかった二人は下がる前に返事をしてしまった。
「もう遅い。」
それを見てニヤリとしながらアインは呟いた。
その直後二つの『アクアボール』が『エクスプロージョン』に当たり大量の水蒸気を発生させ勝俊と朔夜を水蒸気が包んだ。
「アチィ!」
「まさか…うっ」
朔夜は相手が何をしたかったのか漸く気付き下がろうとしたが呻き声を上げた。
「くっ、『嵐華』」
エリスが急いで『嵐華』を放ち水蒸気を吹き飛ばすと、そこには勝俊と朔夜が倒れており、勝俊の前にはゼクスが、朔夜の前にはツヴァイが立っていた。
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