30人が本棚に入れています
本棚に追加
花奈子さんが準備してる間、私は桜兄と喋っていた。
要は、テレビを見ている。
「桜兄、要慈(ようじ)さん(要のお父さん)は?」
「今日は、仕事で遅くなるって。あっ、縁、知ってる?」
「何が?」
「死んだ人に会う方法。」
「は?」
桜兄は、時々こうやって、突然に、変なことを言う。
宇宙人の呼び寄せ方とか、お化けと友達になる方法とか。
せっかく、かっこいいのに。
「その人の仏壇か墓の前で、指で窓を作るんだ。そしたら、目を瞑りながら、その窓に向かって、その人の名前を3回言うんだよ。」
「そんな簡単なんだ…。」
「うん。あっ、ねぇ、縁。俺漫画読みたい!持ってきて!」
「本当に、桜兄はコロコロ話変わるよね。今、持ってくるよ。」
そう言って、立ち上がる。
最初のコメントを投稿しよう!