導く光。

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花奈子さんが準備してる間、私は桜兄と喋っていた。 要は、テレビを見ている。 「桜兄、要慈(ようじ)さん(要のお父さん)は?」 「今日は、仕事で遅くなるって。あっ、縁、知ってる?」 「何が?」 「死んだ人に会う方法。」 「は?」 桜兄は、時々こうやって、突然に、変なことを言う。 宇宙人の呼び寄せ方とか、お化けと友達になる方法とか。 せっかく、かっこいいのに。 「その人の仏壇か墓の前で、指で窓を作るんだ。そしたら、目を瞑りながら、その窓に向かって、その人の名前を3回言うんだよ。」 「そんな簡単なんだ…。」 「うん。あっ、ねぇ、縁。俺漫画読みたい!持ってきて!」 「本当に、桜兄はコロコロ話変わるよね。今、持ってくるよ。」 そう言って、立ち上がる。
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