導く光。

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自分の部屋へ向かう途中、母と父の仏壇のある部屋が目に入った。 気付いた時には、その部屋へ足が向いていた。 「花、枯れてる。」 久しぶりに入ったその部屋は、少し埃っぽかった。 「死んで、2年?いや、3年…か?」 そう呟いた時、さっき言った桜兄の言葉を思い出した。 『その人の仏壇か墓の前で、指で窓を作るんだ。そしたら、目を瞑りながら、その窓に向かって、その人の名前を3回言うんだよ。』 何故思い出したのかも、分からない。 桜兄の言うことだって、普段は信じない。 でも、 私は、暗示にかかったように、指で窓を作った。
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