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「んっ…ぅん…。」
ゆっくりとまぶたを上げ、ぼやけた目で時計を見る。
「6、時か…。」
時間を把握した後、仏壇のある場所を見ると、
「えっ…?」
ない。
仏壇がない。
それに、私の隣に要が倒れてる。
「どういうこと…?」
そう呟いた時、要が目を覚ました。
「んっ…。…俺、お前呼びに来たんだけど、俺、寝てたのか?」
さっきのかすかな声は、要のだったのか。
「…分から、ない。私も、今、目が覚め、て…。」
久しぶりに交わす言葉は、途切れ途切れになってしまった。
寝ぼけ眼の要は、何かに気付いたようだ。
「おい、おかしくないか?仏壇がないし、それに…。」
仏壇がないことは、知っているが、まだ何かあるのだろうか?
「カレンダーの日付が、17年前だ…。」
「…えっ!?」
要の言葉に、カレンダーを見ると、
「17年前の、7月、19日…?」
「ってことは…。」
「私の誕生日の前日…。」
その言葉にハッとして、ゆっくりと階段を降りると、
「…お母、さん、お父さん…。」
2人が笑顔でリビングにいた。
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