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ぼんやりと昔のことを考えていたら、家に着いた。
誰もいない家に向かって、ただいま。と言う。
私は、父と母が嫌いだ。死んだ今でも。
私は11歳で、突然、母方の祖母に預けられた。
『私は捨てられた。』
それだけは、理解できた。
祖母とは上手くいかず、小学校6年生の時、この家に一人暮らしすることにした。
そして、次に母に会ったのが、2年後の14歳の時。
その時すでに父は亡くなっていて、母も病を患って入院していた。
だけど、私がお見舞いに行ったのは、母が亡くなる前日。
それも、要に促され、渋々行ったのだった。
こんなにも嫌う母の最後の言葉は、何故か今も心に残っている。
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