山田 茂吉

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さすがに熊公に乗ったまま民家に押し入るわけにゃいかないじゃん。 とりあえず熊は帰したよね。山に。 別れ際に熊の鈴とかいうのを渡してきたわけ。 なんでも その鈴を鳴らすと駆けつけてくれるらしーんだわ。 お前それなんてアイテムだよと。 お前どっからそんな鈴を手にいれたんだと。 鈴の音色で出てきちゃうとか どんだけ鈴が好きなんだとね。 まぁ、そんなこたぁどーでもいいわけよ。 こちとら生きるか死ぬかの問題抱えてっから。 お前、生まれて間もない赤ちゃんが暮らす家とかなかったらやべーだろ。 でも、いきなり訪ねるわけにもいかねーっしょ。 常識的に。 そこで俺は考えたわけ。 家の前で寝たふりして 捨てられた可哀想な赤ん坊を演じようってさ。 よくよく考えたら 俺、リアルに捨てられたんですけどね。
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