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「ごめんな。俺が競争しようなんて言ったから。そんなことを言わなければ、この犬と衝突することは無かった」
「いや、田中は悪くないよ。俺が調子に乗ってスピードを出しすぎたんだ」
中田は首に巻いていたタオルを折りたたみ、自転車の籠に置くと、動かなくなった犬を抱き上げ、籠の中に入れた。
「どうする気?」
田中は心配そうに中田に聞いた。
「埋めてあげよう。なるべく深いところに」
中田は自転車に乗りながら言った。
「それくらいしか俺たちにできる事はない」
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