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「それなら、幸せ地蔵の山へ行こう。幸せ地蔵に、この犬が安らかに眠れるように、お願いをしよう」
田中も自転車に乗りながら言った。
「うん。そうしよう。田中、悪いけど家からスコップ持ってきてくれないか? 親父さんの仕事用の大きなやつ」
「うん。持っていくから、第三公園で待っていて」
田中は自転車を漕ぎ出した。
スピードは出さずにゆっくりと。
中田もゆっくりと自転車を漕ぎ、第三公園へ向かった。
太陽が傾きかけていた。
犬は動かない。
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