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少年が目を開いた
少年を見て〈白い〉青年は微笑みかけた
――不安かい?
――ううん
――楽しみかい?
――んー、よくわかんない
――ふふ……そうか
時は満ちた
ならば急がなければならない
間に合わなければ全てが消えてしまう
そのために……
幼い少年は尋ねた
――ねえ、なんで僕が選ばれたの?
――君の強さに憧れたからかな……
――だれが?
――どこかの弱虫さんが……
――ふうん
――この先、君の強さが必要と
なるときが必ずくる
その時になったら
また僕を呼んで?
――うん、わかった
白い少年は幼い少年の頭を撫でる
幼い少年は目を閉じた
そして白い少年は力を公使した
――我、光を統べる者
闇を照らし希望を示す者
アルカナの名をもって、
今ここに禁呪の力を発現する
『天地光衝』
白い光が少年の体を包みこむ
――次に目を醒ましたとき、
君はいくつになるんだろうね
白い少年の言葉はすでに少年に届いていなかった
少年は永い眠りについていた
――本当にすまない……
このセカイから少年は消えた
そして始まる
――世界変動の時が
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