新隊員投入

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シーン… 静粛につつまれた室内で敬礼のポーズをくずさない少女を、キョトンとした表情で緑髪の青年は指さした。 「…君、男だよね?」 「え!?初めて言われました!一応制服はスカートだけど… あ!ここから出てるのスパッツだから!」 慌てる日向を赤髪がほうけたように言う 「つーことは何か?おまえ女か?」 「はい!メガネのせいかな~、張り切って新しくしたから男に間違われるのかな~」 隊長は手に持っている調査書をとじると 事務的な対応で日向の前に立つ。 「初めまして、わたしがこの隊の隊長レオだ。赤髪がジーク 緑髪がミズキ 青髪がラルフ 君は今日からただの日向だ」 ジークは慌てたように口を開いた。 「待て待て!隊長!なんで女が此処にいるんだよ!?」 「自衛隊許可証発行される際、成績が此処が妥当だったからだ」 ミズキも疑わしげに日向を見る。 「嘘でしょ?てか多分なんかの間違いだよね。 人事部も自衛隊許可証もない、しかも女の子をこんな所によこすなんて 今世紀最大のミスしたね」 ため息まじりに話すミズキに、 日向は胸ポケットから許可証を取り出して見せた。 三人共それを見て固まる 正真正銘の許可証であるからだ。 「本物だ…」 ミズキが呟くと、ジークは納得いかないように言う。 「何考えてんだ自衛監査支部は! 女なんて飛べないし戦闘魔法も使えないだろ!?」 「一応飛べます」 ジークはサラリと答えた日向に疑いの眼差しをむけながら聞いた。 「じゃあ女にしてはかなり優秀なんだろうな、でも羽をはやさず飛べるか?」 普通は虫のような羽をはやさなければ自衛隊でも飛べない。 しかしSの者は皆羽無しに飛べる。 女にそんな能力があるとは、思えない。 こちらの考えを読みとれないのか、 首を傾げて日向は言った。 「大丈夫ですよ」 そうは見えないけど、そんな事を抜きにしてもやはり、女が此処にいるのが異な事だときずいて欲しいんだが… 「…そうだとしてもおまえは戦闘になったら即死だ」
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