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『シニ……タク……ナ……ィ』
『ワルイノハ……アイツラナノニ……』
『オレガ……ナニヲ、シタッテイウンダ……』
『デモ、オレガ……イナクナレバ……ジーチャン……バーチャン……クルシマナイ……』
―――これは……俺の声(心)?
目の前にいる化け物が発する言葉は自分の奥深くに隠していた言葉だった。
誰にも話さず、迷惑を掛けたくない一心で重石を抱え、ずっと隠してきた―――
―――俺のココロ
「なんで……あいつ俺の心を……」
その言葉を聞いて少女はこちらに目を向けた。
あぁそうかと何かに納得したように頷いて。
「あのシャドーはキミの心からできたのね。……そっか、キミも苦労したんだ」
そう言って少女は俺に優しく微笑んだ。
化け物と向かい合う凛々しい表情はどこにもない。
全てを見透かしているような笑顔が眩しくて、俺は逃げるように目をそらしてしまった。
それをどう受け取ったのか、彼女はクスリと小さく笑みをこぼして、
「さてと! 早く終わらせて本部に戻らないとね! あー、耳は塞いだ方がいいよ?」
「は?」
ガション、と。
少女は銃器から金属を滑らせるような音を立てるとそのまま肩に担ぎ、化け物に狙いを定めて……
「いくぞー!! 発射ーっ!!」
彼女の声と共に銃器から爆音が響き、銃口から小型のミサイルのようなものが飛び出した。
全て狙い通り化け物へ一直線に飛んでいき、火力の高い爆発が化け物を撃つ。
「うわわわ……!!」
目を開けていられないほどの風圧と熱風、そして爆発時の爆音が凄まじい。
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