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「これが、狂也がイーヴァのメンバーになった経緯……か」
見知った風貌になり、イーヴァの一員となった狂也を呆然と見つめていた。
兄への憎悪を力に変えて、彼はこれまでイーヴァのメンバーとして俺たちの前に立ちはだかっていたのだろう。
全ては自分の兄を殺す―――ただそれだけのために。
「オイ、何勝手に覗いてやがる……」
「―――――ッッ!!??」
唐突に背後から聞こえた声にビクリと肩が跳ね上がった。
すぐさま後ろへ振り返れば、目に飛び込んできたのは足蹴り。
咄嗟に腕をクロスさせて受け止めたものの、勢いを殺せずに地を滑る。
体勢を整えながら顔を上げて相手を確認するが、正直確認なんてするまでもなかった。
この精神世界には、当人と俺以外の第三者が侵入することなんてほとんどない。
そう、俺を蹴り飛ばしたのは―――
「ヒッヒ、人の過去を盗み見か。いい趣味してやがるなァ……クソガキ」
「狂也……」
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