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きっとあの影の正体は―――
「俺はあの野郎をブッ殺すための力を! このマッドゥニスを! 死に物狂いで手に入れたんだ……! そう簡単に手離すわけねェだろうが……!!」
そう言い放って、狂也はマッドゥニスである影を庇おうとする。
以前にも、詩音を侵食者から救うためにシャドーを吸収した際、大きな影が彼女を飲み込もうとしている姿を見たことがあった。
あの影に飲まれたら最後、きっと人の姿には戻れない。
シャドーの力に侵されて化け物に成り果ててしまうだろう。
「自分がどれだけ危険な状態か分かってるのか!? このままじゃマッドゥニスに精神を……心を食い尽くされて化け物になるかもしれないんだぞ!?」
「ヒヒッ、上等だ……!! 和基を殺せるなら、俺は……化け物になったって、構いやしねェ……!!」
―――この分からず屋め……!!
思い通りにいかない苛立ちに思わず歯を噛み締める。
こうなったら狂也から無理矢理マッドゥニスを奪い取るしかないかもしれない。
けれど上級シャドーのマッドゥニス相手に強行手段が通じるのかは怪しいところだ。
それに闇を抱える狂也にとっても根本的な解決には至らないだろう。
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