3#ムーニの友達

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 ムーニは川に行った。ひとりで薄暗い森はやはりムーニは怖かった。  ・・・そこにお母さんが・・・いや、僕はひとりでも生きていけると心にきめたんだ!  ムーニは勇気を振り絞って、鬱蒼とした森を抜けた。  川を見つけた。川は山林の間を横切りとうとうと流れていた。  ムーニは川に狙いを定めて前脚をえいっ!・・・駄目だ!もう一度えいっ・・・!ピシャっ!  バタバタ跳ねるヤマメ。ムーニはありつこうとしたら、  バシッ!痛っ!  ムーニは何者かにつつかれた。  「ここは私の漁地だ!勝手に入るな!」  この川の領域を陣取るシラサギに、鋭い嘴でムーニは攻撃された。  「痛い!痛い!知らなかったんだよ!」「知らないもへったくれもあるか!」 ムーニはシラサギの激しい嘴の攻撃に悲鳴を上げた。  ズルッ!ムーニは脚を滑らせ、  バッシャーン!  ムーニは川に墜落した。  「あれ?クマに勝っちゃった!まいいか。」ツキノワグマのムーニを攻撃したシラサギは呑気にムーニが捕ったヤマメをいただいた。  一方のムーニは深く流れが激しい川に脚を取られ、もがき溺れていた。  ・・・困った!どうしょう!このままお母さんのところに僕も行くのかな?・・・  ムーニがもがいて川に這い上がる気力もなくなってきた時、  バッシャーン!何?  ムーニの前脚を掴んでいる者がいた。そのまま川からムーニは引き上げられた。  ムーニは気官に入った川の水を吐き出し、武者震いして体の水気を払うと、そこにいたのが一頭のツキノワグマだった。  「君は誰?」  「僕の名前はプックって言うんだ。で、君は?」  「僕の名前はムーニって言うんだ。よろしく。」  「こちらこそよろしく!」プックという雄のツキノワグマはウインクして微笑んだ。 「なんだ。君も同じ“みなしご”なんだ。」プックはムーニと話をした。プックもまた母グマをハンターに殺されている。プックの場合は山林を散策していたハイカーを母グマに襲いかかった・・・いや、ハイカーの方が母グマに手を出したというのが正解だ。  ハイカーは興味本位で母グマに餌をやろうとして気付かなかったので、石を投げつけたのがきっかけだ。  プックの母グマもムーニ同様に目の前で地元の猟友会のハンターに射殺されたのだ。
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