3#ムーニの友達

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 「似たもの同士だね。」  「うん。似たもの同士。」  「友達になってくれるかな?」  「うん。いいよ!僕も独りぼっちで寂しかったんだ!」     「駆けっこしようか?」  「うん!そうしよう!それっ!」  ムーニとプックは勢いよく山林や野山を駆け回った。  相撲を取ってじゃれ合ったり、一緒に食べ物を探して採ったり、ふざけあったりした。  仲間がいるのはこんなに素晴らしい!ムーニはプックとの日々の素晴らしい日々がいつまでも続けばいいのに・・・と思っていたが、途切れるのは突然のことだった。  夏が巡り、繁殖のために一頭の牝グマを巡る争いがムーニとプックに起こった。  「僕が始めに見つけたんだ!」「僕の方が気があったんだ!」2頭のツキノワグマの争いは熾烈になった。  争いの末にプックがその牝グマをものにした。  敗れたムーニはまた今年も子孫を残せずに冬眠を迎えることになった。ムーニ喧嘩に滅法弱いことが悔しかった。いつかプックを返り討ちにしたいと思った。  秋になり、ムーニは冬眠のために腹ごしらえをするために野山で餌を探した。  この年は不作で食べ物を見つけるのが要因でなかった。  やっとヤマブドウを見つけ食べようとしたら、プックと出会った。  「あっ!」「あっ!」  ムーニとプックが顔を見つめ合ったままになった。   ・・・返り討ちにするのは今だ・・・!それ!  しかし、プックは 「ヤマブドウは君が最初に見つけたんでしょ?どうぞ!」  ムーニは調子を外した。そして  「・・・ありがとう・・・」  「どういたしまして!」プックは最初にムーニと遭った時のようにウインクをしておどけてみせた。  これがムーニがプックに会った最期になるとは思わなかった・・・。     ムーニは冬眠から覚めて、お腹がすいたので何か食べようと山林を散策した。久しぶりにプックにも会いたかった。  食べ物は何とか見つかったが、プックに会えなかった。  「プックはまたどっかに餌でも探してるのかな?見つけたら後ろから忍び寄って脅かしてみよう!」ムーニはニヤニヤした。  しばらくムーニは歩いていたら、笹の葉を食べているツキノワグマを見つけた。  「しめしめ・・・」忍び寄るムーニ。  そして「ワッ!」  「なんじゃい!」振り向いたのは厳つい顔に傷があるクマだった。
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