「第一章、『運命の放課後』だ」

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順々に説明していこう。 時は遡り、朝から――― 「だる……。昨日は遅くまでやりすぎたか……」 自室のドアに肩をあずけ、深呼吸する。 半開きになった窓から入り込む新鮮な風が、すぐ近くの机に置いてある古書のページをパラパラと捲る。 ―――ページ端には『魔術の成り立ち』と書いてある。 魔術―――ファンタジーめいた言葉だが、細々とその息を紡ぎ続けてきた実在するもの。 科学の発展に伴い廃れていった哀れな技術だ。 俺、瓶門忍は魔術師だ―――と言えるほどのものでもないが、独学で魔術を学んでいる。 昨日、遅くまで起きてたのも新しく入手した魔術に関する古書を読みふけっていたからで。 魔術、と一口に言ってもフィクションの世界のものとは全然違う。 出来ても錠を外から外す、物を引き寄せるなど、ピッキングや伸びるアームと同じレベルのものだ。
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