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「いや・・・!違う・・・これはそういう意味じゃない・・・!」
マイスは慌てて上げた右手を下げ、害意のない事を説明しようとするが、女性の表情は警戒したままで構えも解かない。
そもそも自分自身、理解出来ない事だらけなのだ。
上手く説明出来るかどうかも判らないが『邪神の解放者』・・・意味は不明だが、この誤解だけは解かなければならない。
「リナス!」
マイスがどう説明しようか思案に暮れている間に、女性の右側面にある家の角から声がした。
更に2人の女性が、走り寄って来る。
「アリエス御姉様、シエリス!」
目の前にいる『リナス』と呼ばれていた女性は、マイスを警戒しながらも新たにやって来た2人に目を向ける。
「リナス、大丈夫?」
リナスと同じ様な姿をした女性が声をかけた。
この女性はリナスと同じ様に薄い金色の髪をしており、背中まで伸びた髪を首の後ろで1つに括り、銀色の羽根のついた兜をつけている。
年の頃は22~24歳くらいであろうか、気の強そうな目は意志の強さを表し、美しく通った鼻筋と流麗に結ばれた唇は闘う女神の様であった。
装飾を施された青い鎧に、同じく装飾の施された豪奢な碧い柄の槍を持っている。
もう一人は『女性』と言うよりまだ『少女』といった容貌で、16~17歳くらいであろうか。
2人と同じように薄い金色の髪を風に揺らしているが、髪の長さは首ぐらいまでしかない。
まだ全体に少女のあどけなさを残し、美女というよりは活発な感じの美少女であった。
この少女も2人と同じ様に身体に鎧を纏っている。
少女の鎧は金色の装飾の施された薄い緑色を基調とした物で、リナスと呼ばれた女性よりは幅広の刃を持つ剣を携えていた。
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