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罪の在処
「やあああっっ!!!」
女性は細身の直刀を構え、刺突をしてきた。
リン
剣の装飾が清らかな鈴のような音を立てる。
「うわっ・・・!」
マイスは反射的に避けようとしたが、思った以上に踏み込みが早い上に、突然の攻撃に足が竦んで動けなかった。
バシィッ!!
本から出た稲妻が女性の剣を叩き、剣筋を変えさせる。
剣はマイスの体の横を掠める様に通り過ぎ、女性もマイスの傍らを体勢を崩しながら横切った。
女性は振り返りながら、すぐさま体勢を立て直す。
両手で剣を構え直し、再び刺突の体勢をとった。
チャリ・・・。
女性の剣の装飾が僅かな音を響かせる。
「結界・・・」
女性は本を見上げ、美しい顔を陰らせながら呟いた。
マイスも本を見上げる。
『こちらから触れようとした場合はガードが働き、触れようとしたものに電流が走る』
ミステの言った事を思い出す。
(そうか、この本はオレを護っているんだ・・・とにかくこの女性の誤解を解かなきゃ・・・)
「いや・・・違うんだ、これは・・・」
マイスは女性を呼び止める様に無意識に手を上げ、説明しようとした。
女性はマイスが手を上げたので、反射的に防御の体勢をとる。
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