プロローグ

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「三択ね。一、ミキ」 あっ、と僕は声を上げた。まさか…… 「二、ミッキー。三、ミキティ。さぁどれだ?」 後二つは最早アダ名だった。 「一」 「残念! 正解は二のミッキーでしたー」 間違いない。でも腑に落ちない。 人間って三年でこんなに変われるものなのか。 「人違いでした。では」 「待って! ゴメン! 私が悪かった! 正解でいいから!」 人の多い駅のホームの真ん中だというのに、彼女は躊躇わずに僕の背中に抱き着いてきた。 「やめてミキ、離れて!」 落ち着いて彼女の手を体から離し、もう一度向き合った。 こんなやり取りも三年ぶりになるんだ。何だか懐かしい。 「久しぶり。随分と変わったね」 「ナオは大人っぽくなったかな。私どう変わった?」
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