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何かを含んだ笑みを浮かべてミキは言う。
「顔、前と全然違う。ミキだって気付かなかったよ」
雰囲気と仕草を除いたらまるで別人な程に彼女は変わった。
「うふふ、ありがとう」
ミキは嬉しそうに笑った。
強い風が吹く。
彼女はうわっ、と唸って風に流れる長い髪の毛を手で押さえる。
その時僕は、彼女のその姿そのままを自分の部屋で見たことを思い出した。
正確には見たんじゃない、描いたんだ。自分のこの手で。
彼女は僕が途中まで描いた、「春」をモチーフにした絵の女の子にそっくりだった。
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