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ガチャン…。 家へと続く道へ、門を開けて進む。 重い足どり。 だだっ広い庭の道を歩く。さっき開けたのは一応玄関門なのだ。 重い足を急かすようにして歩き、7分といったところか。 僕の家の正面玄関についた。 カラン……。 「ただいま帰りま…」 『周様っ!!』 こうなることは予想できていた。なんといってもこの時間。もうすぐ9時になろうとしていた。 「ただいま、ばぁや。」 「ただいま。じゃございませんっ!!こんなに遅くまで、どこにいらっしゃったのですか!!私共がどれだけ…」 「わかってるよ、ばぁや。友達の家で勉強していたら、いつの間にかこんな時間になっていたんだ。心配してくれてありがとう。」 「………とにかく、ご無事で安心いたしました。お父様は書斎でお待ちです。」 ここまで見た人には分かるだろう? そう、僕は…いや、僕の父さんは資産家なのだ。僕はその跡取り息子。大事に大事に育てられてきた。 けれど、所詮はただの… 籠の鳥。 僕が自由にできる時間は放課後のみ。 朝は5時半起床。通学は徒歩30分。学校は大体3時半に終わり、門限は6時。 休日は家庭教師に塾、ヴァイオリンにピアノ、茶道に乗馬など、遊んでいる暇などはなかった。
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