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キーンコーンカーンコーン…
「あら?もう授業終わり?」
どっ、と周りから笑いが起こる。
運良く担任の授業が6時間目に来ると、終礼が早く終わる。
そのおかげで皆、機嫌がいい。
「最近、ボケちゃって。」
と担任が冗談混じりに茶化す。
だけど、
そんな光景は、どうでも良かった。
僕は、早く家に帰りたかった。
イライラしてると、隣の席の、僕の友達、茜 和樹(あかね かずき)が、声をかけてきた。
「ボケてんのは前からじゃねえか、なぁ?」
と、やはり、クスクスと笑っている。
「僕も、そう思う。」
くすりともせずに、僕は答えた。
「愛想悪いなぁ、周(しゅう)。」
ふてくされた様子で、こちらを見ている。
「いつものことだろう?」
「ははっ、まぁな。」
ようやく、担任の話が終わったようなので、皆がいそいそと、帰り支度を始める。
そうそう…。と、担任が思い出したように、付け加える。
「皆、明日、楽しみにしてて!」
と、嬉しそうに言った。
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