2)原爆死没者慰霊碑

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 さて、公園メインの二つ目、慰霊碑です。  慰霊碑の側には献花台があり、新しい菊の花が水滴をしたたらせて献花されていました。  どうやら毎朝お花を換えに来てる方がいらっしゃるようですね。  清掃している人がいるらしく、水をまいたあともありました。  写真を撮りまくっている外国人の方の間を縫って、焼香台の側に立った私は、とりあえずまず、手を合わせました。  ――ここに立って手を合わせる時、私はいつも何を祈っていいのかわからなくなります。  どんな言葉を尽くしても、足りない気がするのです。  そう言う意味で碑文にある 『安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませんから』  このただ一言に尽きる気がします。  個人的な考えですが、私はハッピーエンド推進委員会でもありますが、同時に無駄な戦争を描写するような作品もあまり書きたいとは思いません。  最後にはきっと平和を。  そんな風な作品を書きたいと思うのは、広島にいるから、だけでなく、母方の血が広島と連なりがあることも関係があるのかも知れませんね。  ……すこし、感傷が過ぎますかね。  その辺をもう少し書きますと、その母方の血というのは宇品という港が広島にあるのですがそれを作った方だそうです。  公費が足りず私財をなげうってまで作った港。  それをおそらく今うちの会社でも使っているので、ちょっとは感謝してほしいですがそれは置いておいて(笑)  それよりも何よりもその港は、戦時中には軍港として使われていた時期もあったそうです。  なんだか、やりきれませんね。  ちなみにその方、千田さんとおっしゃるらしいのですが、地元の人もあまり知らないですが宇品にある「千田町」という町は、その宇品港を作った「千田男爵」の名から取ったそうです。  ちょっと誇らしい感じです(笑)  と言ってももう大分遠い親類なので私も詳しいことは知らないんですがね。  とりあえず母が来た時千田神社に行って銅像拝んできました。  最近何故自分が広島に来ることになったのか考えることがありますが、そういう縁もあったのかもしれませんねえ。image=379893548.jpg
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