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――この塔の前に来ると私はいつも身につまされる思いがします。
多分全部ある施設の中で、私にとって一番重たい。
何故かというとそれが、学びたくて学校に通っていたはずなのに、学ぶことができず亡くなっていった人達のためのものだからです。
『学ぶ』ということについて、私はこれまでどれだけそれが貴重なことなのかわかっていただろうか――
ここに来るとそう自問してしまいます。
そりゃ、理由は『時計もらえるらしい』とか言う現金な理由ではありましたが高校皆勤賞取ったくらいまじめに学校に行きましたよ。
でも、学べることの貴重さをきちんとわかっていたかというと、疑問です。
現に経済的理由から浪人絶対できないという背水の陣もあって、あれだけ死ぬような思いをして行った大学も、一限二限――つまり午前中の授業は落とす単位が多かったし、三・四年はだらだら過ごしていました。
うちは総合大学だったから専門以外にも学べること、たくさんあったのにね。
高校だって、真剣に選んだ道でもなく、みんなが行くから当然のように選んだだけで、そこでの勉強ももちろん楽しい教科はありましたが基本は試験・受験のための勉強でした。
『学ぶことができる』という幸せを自覚なんてしてなかったんですよね。
いや、今思えばあの時経験できたこと、できた友達はとても大事だし、良い経験だったと思います。
だけど、こう、学ぶことができずに亡くなった人達の姿を突きつけられると、もっとできたことはあったよな、と恥じる思いがこみ上げてくるんです。
勉強が好きか嫌いかと言ったら好奇心の塊だから好きだったですが、あの時間、もっと貴重にして大事に大事に過ごすべきだったと、社会人になって取り返しがつかないからこそ、思います。
――うん、文章がもう肯定否定を繰り返している時点でループにはまってますね。
そのくらい、考えさせられる場所なのです。![image=379908537.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/379908537.jpg?width=800&format=jpg)
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