老人探偵団

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「心が読めるやと……!? おれの心を勝手に読むんちゃうわ! ……って、今はこんなこと言ってる場合ちゃうかった! ズラかるぞ風間!! 『PUG』と会ったらすぐ逃げる。これ鉄則!」 雷門は興奮してズレた眼鏡を戻しながら、風間の方へ振り向く。 視線の先、風間はのんきに地面に落書きしていた。 「かぁぁざぁぁまぁぁああーー!!!」 雷門が目にも止まらぬ速さで風間に駆け寄り、両肩を鷲掴んでブンブンと振った。 その速さ、三十路越えとは思えず。 「逃げるゆーとるやろがああ!」 気を失うんじゃないかと思われるほど頭を激しく前後に揺らされる風間だが、本人はいたって平気そうだ。 「だって雷門さん、いつも話し長いんですもーん。 今も老人と華麗なトークを繰り広げてたみたいですしー。」 「誰が井戸端会議するおばちゃんや! しかもさっきの、おれほとんど喋ってへんし!」 「ええ? あんなに楽しそうだったのに……。」 「よし風間、今度おれが行きつけの腕の立つ眼科医紹介してやるわ!」 風間の果てしなく繰り出されるボケにツッコミ続ける雷門の姿は、まさに大阪人のカガミであった。
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