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さぁ、どう応えるか。
労働条件そのものは悪くないと思うが、選ぶかどうかはこの男次第だ。
「……魔王の下で働くのは気に入らないが、俺はお前に負けた身だ。俺でよければ働かせてくれ。よろしく頼む」
「よく決断してくれた。歓迎するぞ、カビオ」
ダメ元だったが、成功したようだ。
ヌラが要らなくなるレベルの働きに期待しよう。
「ヨッシャァァァア!!仕事楽になるぅぅぅ!!ヒッヒッフーッ!!!!レジェンド!!ヨーソロオオオッ!!」
コイツも喜んでやがる。
喜びのあまり、発言が意味不明になっている。
でも、明日から1人当たりの飯の分け前が減るな。
「あっ、ベルーガ!!」
「なんだよマジキチクソヒツジ」
「誰が羊毛だ」
「毛を刈った覚えはねぇよ。つーか話進めろよ」
突然真剣な顔をしたが、やり取りは普段と変わらない。
ヌラの事だ、どうせろくなことは言わないだろう。
「この城、野郎しかいないぞ」
「俺を含めて、3人しか居ないのか?」
「居たら1人くらい出会うだろ。……確かに男しか居ない、これは由々しき事態だ」
ヌラの指摘通り、この城には男しかいない。
このままでは、男臭さMAXで俺は死んでしまう。
こうなったら、かわいいメイドさんでも雇うしかない。
上手く雇えたら、夜通し可愛がろう。
「お前、なんでそんな真顔なんだよ」
「いや、別に何も」
正直な話、そんな度胸は俺には無い。
この城で働いてくれさえすればそれでいいです、可愛がる度胸は無いです。
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