勇者第一号

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返り咲くとか何か決意表明みたいにしたが、実際はだらけきってる俺である。 今だって、玉座という名のパイプ椅子に座ってゲームをしてる、完全にダメな人だ。 ソフトは、敵対する犯罪組織を、全てを失った男が潰して回る、自由度の高いゲームだ。 俺にそれをやらせたら、チート無しで武装したギャングを壊滅させられる、無傷でな。 「なぁ、少しは魔王としての自覚持とうぜ?」 うるさい。 お前だって執事としての自覚ねぇだろうに。 俺の名前はベルーガ=カオス=デス、親しい友人からは、鯨類くんなどと呼ばれている。 歳は18、まだまだ若い。 それにしても、名前がベルーガだからって鯨類くんはどうかと思う。 執事の名前はヌラ=ベッチャ。 種族は俺と同じ魔人、しかしその血の9割は人間だそうだ。 歳は23歳、現在フリー極め中。 最近、女に飢えているように見える。 「……やるべき仕事ってなんだよ」 「……知らねぇよそんなこと」 親父は、魔王としての仕事についてはしっかりと教えてくれていない。 ……などと言うのが正しいのか、教える前に死んだのか、どちらかは分からない。
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