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「身の程を知れ。そらよ」
振り下ろされる剣は少し横にズレるだけで簡単に避けられる。
そしてカウンターとして、俺は拳を突き出した。
拳は顔面中央にヒット、僅かな狂いも無く完全な中央にヒットした。
「ヴァオッ!」
奇声を上げ、その体は宙に浮く。
大体5mくらいは吹き飛んだと思うが、まさかそれだけで即死するとは思わなかった。
顔面が陥没するほどの力では無かったから、倒れた時の打ち所が悪かったのかも知れない。
「まぁ、その、なんだ?勇者だったら金で甦られるけど、お前はそうなのかどうなのかわからんしな。甦るにしろ、来世に期待するにしろ、2度と俺の前に出てくるんじゃねぇぞ?」
「死体に話しかけてもしょうがねぇだろ」
このまま放置しておくわけにはいかない。
死体を城の中で放置するだなんて、問題が多すぎる行動だ。
バルカンマンと名乗ったその男を、俺は周辺の森の適当な場所に放り捨ててきた。
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