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「パパ~💦」
「白川さん…」
その男性は聡子さんの御主人のようだ。
「心配で仕方なかったくせに、わざと悪ぶるのはやめなさい。
和寿くん、…彼女さん、許してやってください」
まるで菅原文太さんのような硬派な雰囲気をプンプン醸し出す白川さんは、それだけ言うと私達に最敬礼をした後、低い声でごゆっくり…と囁いて部屋を出て行った。
その後を聡子さんがパパ~!と甘えるような声をかけながら追っていく。
――あっ…私ったらろくに挨拶もしないで…
そう思ったけれど、なんとなく気まずい空気が流れて、どうする事もできなかった。
「なんか…ごめんね、落ち着かなくて…
とりあえず、乾杯でも、しようか…」
「あ…うん」
シャンパングラスを合わせて、何に対してかわからなくなってしまったけれど、2人で乾杯をする。
それからお料理に箸をつけてみたところ、日本人の口に合うように和食の要素も取り入れた、とても美味しいお料理だった。
だけど、またお姉さまに会話を盗み聞きされたら…なんて思ったらのんびりできる気分にはなれず、料理を食べ終えたら早々に席を立った。
「うちに…寄っていきませんか?」
大胆なお誘いと共に…
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